カウンセリングのスタイル

当相談室でのスタイル

当相談室のカウンセリングのスタイルはクライエント中心療法を軸としてカウンセリングの流れや場面、段階や来談者のタイプ等により認知療法的アプローチ・芸術療法的アプローチ・分析的アプローチ、ロゴセラピー的アプローチ、トランスパーソナル的アプローチ等を織り混ぜながら進めてゆきます。

また、当相談室の特徴の一つとして、当面の困っている症状や問題を単純に短期間のうちに消し去ること自体を必ずしも第一優先とはとらえていないケースもあるということです。

というのも、場合によっては困っている症状や問題がその人、その家族を本人が気が付かない、別のある意味で守っている場合や成長を促している場合もあるからです。
そういう場合に単にその症状や問題を消すだけに徹してしまうと、その症状や問題が起きてきた背景の意義のようなものが宙ぶらりんになってしまい、その人の内面や家族関係のバランスが再び不安定な方向に進み、一見外からは元の症状や問題とは関係ないように見える別の症状や問題に置き換わって出てきたりする場合があるからです。

なので当室では、なるべくその人やその家族が内面的に成長することによって、その症状や問題を自らよく理解して自分が成長することでもって、根本的に解決できるようになることを援助するというアプローチを取る場合も多いのです。

こんな方達の役に立ちたい

具体的ではっきりしている悩みの問題に対して、直接そのことを話し合うのはもちろんのことですが、(例、職場での人間関係、家族関係からくるストレス、事故による生活の急変等…)
そうでない場合でも例えば次のようなケース

  • これまでに医療機関を受診し、薬を処方してもみたが、どうも心のなかでしっくりこないと感じている方
  • 自分なりに自分の問題に取り組んできて、努力もしてきたけど、なかなかその答えのようなものが見つからずもやもやとして、気持ちが晴れてこないと感じている方
  • 自分は今まで自分の納得のいく自分自身の人生を送ったような気がしないと感じている方
  • 何をやってもどこか空しく感じられて、生き生きとした生活感が感じられない方
  • 近い将来や未来の自分の人生が思い描けなくて不安やあきらめの気持ちが強くなってしまう方

なども、一緒に悩みの先にある光や答えを見つけていくために利用して頂ければと思っています。
他にもとにかく私の話を聞いてほしい、誰かに私という人間を深く理解してもらいたい、安心できる場所で人と本音の話がしたいといった方々も大歓迎です。

またこれとは別に

  • 特に悩みはないのだけれど、自分という人間をよりよく知って、これからの自分のさらなる成長につなげたいと思っている方
  • 子供を含む他者の話をもっと上手に聞いてあげたいと思っている方
  • などにもお役に立てればと思っています。

療法の種類の紹介

来談者中心療法

来談者中心療法(クライエント中心療法)は、1940年代に米国の臨床心理学者カール・ロジャースが創始しました。
当初は「非指示的療法」、近年では「パーソンセンタード・アプローチ」とも呼ばれます。日本には1940年代より導入されました。

この療法の基本的な考えは、「来談者の話をよく傾聴し、来談者自身がどのように感じ、どのように生きつつあるかに真剣に取り組んでいきさえすれば、別にカウンセラーの賢明さや知識を振り回したり、押しつけたりしなくても、来談者自らが気づき、成長していくことができる」ということです。

人間は、成長・自律・独立等に向かう「実現傾向」を持つと考えます。カウンセラーは、自らの体験・意識・表現が一致していること、来談者に無条件の肯定的な関心を持つこと、共感的に理解することを大事にします。

ナチュラルな漢方薬的な療法と言えるでしょう。
※日本臨床心理士会より

認知療法

認知療法では、人が成長するにつれ固定的なスキーマ※1が形成され、それに基いて歪んだ思考方法や考えが自然に浮かぶ自動思考が起こっており、そうした認知の歪みに焦点を当てて、認知を修正することで症状が改善するとされる。
※Wikipediaより
1スキーマ・・・生得的要因と環境的要因の影響を受けながらそれまでし体験した事柄にもとづいて形成された、心の底に気付かれないまま存在している、個人的な確信。

 

ロゴセラピー

「ロゴ」は、ギリシア語で「意味」の意である。ロゴセラピーは、人は実存的に自らの生の意味を追い求めており、その人生の意味が充たされないということが、メンタルな障害や心の病に関係してくる、という見解を基にしている。(心的な疾患は、当事者に人生の意味に関して非常に限定的な制約を課していると言える。)ロゴセラピーは、人にその生活状況の中で「生きる意味」を充実させることが出来るように、あるいはその価値の評価の仕方を変えることが出来るように援助しようとするものである。
そのためロゴセラピーは手法として、実存主義的アプローチをとり、下記の3点を基本仮説とする。

    • 意志の自由 – 人間は様々な条件、状況の中で自らの意志で態度を決める自由を持っている。
      (決定論の否定)
    • 意味への意志 – 人間は生きる意味を強く求める。
    • 人生の意味 – それぞれの人間の人生には独自の意味が存在している。

※ウィキペディアより

トランスパーソナル心理療法

人の心の内部を「自我(私)」と「X(私でない何か)」に分けて考え、「自我」の立場から「自我」のために「自我」の都合のよいように進めていく心理療法とは異なり、自我の都合とは無関係におのずと生まれてくる心の動き、自我の方から見ればそれが「何」であるかは「よくわからない」ようなあいまいな「何か」、しかしそこに何か重要な意味があり、それ自体で何か意思を持ち能動性をもって働いているようなその「何か(X)」の観点に立ち、そこを立脚点として取り組んでいく療法。

※トランスパーソナル心理療法入門(諸富祥彦)参照